当サイトは、元々、登山で使えそうなバスを探すのに便利なサイトを目指して作ったサイトです。

公共交通機関を使って山に登っている方は、使えるバスを探すのが大変だというのがよく分かると思います。登山地図や登山ガイドを購入すれば、バスの情報も載っていますが、登山地図のないエリアや、少しマイナーな山に登ろうとすると、途端に探すのが難しくなります。

登る山を探す

登る山を探す場合は、を押して、主な山を表示すると探しやすいと思います。登山対象になりそうな山が3,000座ほど表示されます。あとは、地図をズームしていき、バスの路線が通っていることを確認して、どの山に登るかを考えます。

例として、バスを使って百名山の大菩薩嶺に登り、下山後に温泉に立ち寄る計画を立ててみます。

①使えそうなバス路線を探す

大菩薩嶺に向かって地図をズームして下さい。位置が分からなければ、で「大菩薩嶺」を探します。

ズームしていくと、以下のような状態になりました。大菩薩嶺の周辺には色々とバスが通っているのが分かります。黄色や水色の丸で示されたバス停を見て、どのバス停が使えそうか考えます。

※国土地理院の地形図を掲載しています(数字は追記したもの)。

このズームでは登山道が見えませんが、もう少し拡大すると、登山道が表示されます。登山道を表示して、どのバス停から取り付けるかを確認したところ、どうやら、①〜⑥の辺りのバス停が使えそうです。

温泉マークもいくつか表示されています。入浴してから帰りたいので、下山は、温泉マークのある、①、②、④のいずれかに降りることにします。

①→④、②→④、③→①、③→②、③→④、⑥→④など、色々と組み合わせがありそうです。

②距離を調べて、候補を絞り込む

まずは、大まかな山行距離を調べて、どのルートが現実的かを確認します。登山ルートの距離を調べるには、を押して、ルート上をクリックしていきます。

試しに、①→④のルートを入力してみます。の丹波役場前バス停からスタートして、の温泉マークまで点で結びます。

丹波役場前バス停から 大菩薩の湯まで

※国土地理院の地形図を掲載しています。

ここでは大体の距離を調べるだけなので、ルートの入力は大雑把で良いですが、その際に、登山道からなるべく外側に外して、点をクリックしていきます(上の例の左側のような感じです)。直線距離を計算するので、そうしないと、実際のルートよりも短い距離になってしまいます。

丹波役場前バス停から大菩薩の湯まで、入力したのが右の状態です。①→④のルートは、20km以上になりそうです。これは、大変そうなので止めることにします。②→④も同じくらいの距離がありそうですから、やめておきます。

それならば、③→①はどうでしょうか。同様に入力してみたところ、15kmほどになりました。このくらいが、自分にはちょうど良さそうです。③→②も良いかもしれませんが、こちらは後半が、ずっと道路歩きで温泉が遠いです。

ということで、③→①を候補にしてみます。

③バスの運行ルートを確認する

③→①のルートが実際に使えるかを判断するには、バスの運行状況と時刻を調べる必要があります。の上日川峠バス停と、のバス停は、温泉に一番近い丹波山温泉バス停をそれぞれ選択します。

上日川峠バス停 丹波山温泉バス停

すると、上日川峠へは栄和交通のバス、丹波山温泉からは西東京バスが運行していることが分かります。運行本数の左に青い駅マークが付いていますから、駅まで乗換なしで行けるようです。

それぞれを押して、バスの運行ルートを確認すると、上日川峠のバスは、JR甲斐大和駅から出ており、丹波山温泉のバスは、JR奥多摩駅まで行くことが分かります。

④バスの運行状況、時刻を確認する

次に、運行会社名をクリックしてバスの運行状況や時刻を確認します。この先は、バスの運行会社のサイトに飛ぶので、そこから時刻を調べます。

栄和交通のサイトでは、「路線バス」のリンクを押すと、時刻表が載っていました。そこで調べると、2021年度の運行は、4月17日〜12月12日の土日祝日(一部平日も運行)であることが分かります。朝1番のバスの時刻は、8:10甲斐大和駅発で、上日川峠には8:51着です。

これが自分の計画に合っているかを確認し、更に、8:10までに甲斐大和駅にたどり着けるかを、ジョルダンの乗換案内などを使って確認します。駄目なら2番目のバスの時間で調べます。

同様に、帰りのバスの時刻も確認します。山のバスは本数が少なく、意外と早い時間で終わってしまうことがありますから、必ず確認が必要です。

西東京バスのサイトでは、「路線バス」→「時刻表検索」と選ぶと、検索画面に行きます。そこで、出発バス停に「丹波山温泉」、到着バス停に「奥多摩駅」と入力、日時も指定して、検索します。検索結果から「時刻表」を押すと、時刻表に飛べるようになっています。

帰りで使えそうなバスとして、丹波山温泉発15:47と18:24(最終)が見つかりました。18:22のリンクをクリックすると、運行時間が細かく表示され、奥多摩駅に19:14に着くのが分かります。

奥多摩駅に19:14に着いた場合に、最寄り駅まで帰ってこられるか、乗換案内で調べます。

山行距離はおよそ15kmです。上日川峠を9:00にスタートして、温泉で1時間はゆっくりしたいので17:00までには着きたいと思います。8時間で15kmが自分にとって、ゆとりがあるかどうかを考えます。足の早い人なら、14時頃着いて、温泉で疲れを癒やしてから、15:47のバスで帰れるかもしれませんし、8時間かかる人もいると思います。

このとき、最終バスにギリギリ間に合うみたいな計画は立てないようにします。私は時間的に無理な計画で山に登って、焦った結果、道迷いを繰り返してパニックに陥った経験が何度かあります。

⑤温泉の情報を確認する

今回は温泉に入ることも目的ですから、温泉施設の情報も確認しておきます。よく調べずに行くと、臨時休業などで閉まっているかも知れません。

温泉マークを押すと、温泉施設の概要が表示されます。

のめこい湯 最寄りバス停

を押すと、温泉施設のサイトに飛びます。そちらで細かい情報を確認してください。
すると、3時間まで600円で入浴できるとか、大広間があるといったことも分かりますので、温泉に着いたのが15:15であれば、急いで入浴して15:47のバスに乗るのではなく、ゆっくり昼寝でもして、18:22のバスで帰ろうといった判断もできます。

(表示される温泉情報は、私が調べて手入力した情報です。誤っていたり、情報が古い可能性がありますので、必ずサイトで情報を確認してください)

もし、最寄りの交通機関までのルートと距離を知りたい場合は、「駅〇〇m」「バス停〇〇m」ボタンを押すと、温泉施設からバス停(駅)までの距離と時間が分かります(この例では「バス停387m」のボタンです)。事前に調べておけば、バスの発車時刻の何分前までに温泉施設を出るかを計画できます。

⑥細かい計画を立てる

ここまでで、以下の大まかな計画が立ちました。

行き:栄和交通 甲斐大和駅8:10発→上日川峠8:51着 (実際は電車の時刻も)

帰り:西東京バス 丹波山温泉18:22発→奥多摩駅19:14着 (実際は電車の時刻も)

上日川峠を9時に出発して、約15kmの道のりを7.5時間で歩き、のめこい湯に16:30頃到着する。

あとは、山行ルート上のポイントごとの到着時間や、休憩の予定など細かい計画を立てたり、地図の用意をします。山行計画は、ヤマレコヤマタイムなどのサイトを利用すると、簡単に作成できます。

登山用の1/25000地形図の印刷には、よろしければ、私の開発しているTrailNote(Mac用)もお使い頂ければと思います。

安全な登山をするために

上で、登山計画を立てる例を紹介しましたが、登山ルートを検討する際は、注意が必要です。

バスルートで表示できる登山ルートは、国土地理院の地形図に描かれた登山道(徒歩道)と、OCM(OpenCycleMap)の登山道のどちらかです。しかし、どちらの場合も、地図に登山道が描かれているのだから、しっかりした踏み跡があるだろうと思うのは危険です。

例えば、上の地図をご覧ください。これは、私が山梨県の御殿山に登る際に、登りで使おうと考えたルートです。十谷から十谷峠まで徒歩道が描かれていますが、実際に行ってみると、道は荒廃していて、踏み跡のようなものはほとんどありませんでした。このようなルートを計画してしまうと、遭難につながる危険があります。

このように、地形図には廃道のようなところにも徒歩道が描かれていることがあります。山行計画を立てる際は、登山地図やヤマレコなどを参考にして、本当に歩けるコースなのかを確認した方がよいです。

ヤマレコに、とても便利な機能があります。トップ画面から「地図検索」を選んで「みんなの足跡を表示する」を選んでみてください。ヤマレコに登録された膨大な記録から生成された登山ルートが表示できます。

自分が考えた山行ルートに、先人の足跡がありますでしょうか。もし、全く足跡がないのであれば、よっぽどの熟達者でない限り、そのルートは止めた方がいいでしょう。相当な藪こぎや高度なルートファインディング能力が求められることになると思います。

先ほどの、十谷から十谷峠までのルートをヤマレコで確認すると、足跡が全くないので危険な道であることが分かります。

また、足跡があったからといって、それは上級者の足跡かもしれませんし、最近の状態がどうなのかは分かりません。ヤマレコなどで山行記録を検索して、事前に情報を集めておけば、より安全な登山ができます。

安全な登山を計画するのであれば、上記の例の場合、「②距離を調べて、候補を絞り込む」の後に、「ヤマレコなどで、計画したルートが安全か確認する」という手順を追加した方がよいと思います。